開発技術名
「イオンビームにより誘発したキクの花色変異組織の再分化技術」
技術開発の経緯
イオンビームによる突然変異誘発は花弁の一部に現れることが多く、その変異組織から花弁培養により再分化植物を得る必要がある。一方、花弁培養の最適な培地条件は品種ごとに異なるが、多品種を扱うには確実に再分化個体を作出できる汎用的な培養法が必要であり、その培地条件を探索した。
開発技術の内容
①通常の培地では品種により最適な植物ホルモンを使い分けるが、2種類のオーキシンやサイトカイニンを混合することにより汎用的な培地が開発できた。
②培地条件は、IAA 5.0mg/l・NAA 2.0mg/l・BA 1.0mg/l又はIAA 10.0mg/l・NAA 2.0mg/l・BA 10.0mg/l・kinetin 0.1mg/lで、多品種の花弁培養の一括処理が可能となった。
期待する効果
培地条件についての予備試験は通常、3~6ヶ月かかるが、本培地を利用することでその期間を短縮できる。
予備試験のための培地作成が不要となり、花弁培養に必要なスペースも半分以下になる。
変異部位が小さく、供試可能な切片数が限られる場合でも、本培地を利用することで再分化植物が得られる。
連絡先
農業技術センター農産園芸部 0790-47-2424