開発技術名
「養殖カキ人工採苗技術の安定化および簡易化」
技術開発の経緯
当初、平成20~24年度の5か年で「カキ人工採苗技術の簡易化と優良品種選抜に関する研究」を実施予定であった。しかし、人工採苗技術を確立するにあたり、確実に採卵するための方法、浮遊幼生を育成するための餌料の選択、効率的に採苗器に付着させる方法等の解決すべき問題が抽出された。そこで、目標を絞り込み、簡易な方法で安定的に養殖カキの人工採苗を行うための技術開発を行うこととした。
開発技術の内容
ア 切開法による確実な採卵、浮遊幼生の育成を簡易化するための市販餌料の利用とそのスクリーニング、着底直前の浮遊幼生の選別による効率的な採苗等を実施することによって、カキの採卵から浮遊幼生の育成、着底(採苗)までの飼育管理技術の安定化と簡易化が可能となる。
イ 併せて、ホタテ貝殻の採苗器の代わりにペットボトルを用い、野外で育成後に剥がし取るという方法によって、シングルシード(一粒カキ)種苗の簡易かつ、安価な採苗が可能となる。
ウ また、人工採苗種苗は通常の養殖用種苗と同等に成長することを、養殖試験(吊り線式養殖)によって実証した。
期待する効果
本研究の成果は、形態的特徴を持った特定の親カキを用いた交配による選抜育種を実施する上での基礎的技術として引き継いでいる。
連絡先
水産技術センター水産増殖部 078-941-8601 (作成者:谷田圭亮)