開発技術名

「ホウレンソウとコマツナの安定的ミネラル強化管理技術」

 

技術開発の経緯

 近年、日本食品標準成分表(2000年)によると、野菜のミネラル成分は以前と比較して減少しており、県産野菜でも同様の傾向が認められた。一方、消費者の健康志向から、野菜のミネラルにも関心が寄せられていた。そこで、品種特性、土壌条件を検討し、標準成分を安定して上回る高ミネラル野菜生産の技術開発に取り組んだ。

 

開発技術の内容

 ホウレンソウとコマツナでは、品種間でカリ、カルシウム、鉄などミネラルの各成分含有率に、1.3倍から3.9倍の差があった。いずれも、ゆっくり育つ品種ほど高かった。
 養分集積土壌では、ホウレンソウとコマツナのミネラル含有率は低下し、かつバラツキが大きくなった。養分集積土壌で栽培する場合は、養分の可給化を抑えるために土壌pHを7以上に保つ必要がある。
 その他の栽培管理では、全ミネラル含有率は、節水栽培(土壌水分pF2.3程度)により増加し、低温期間(秋冬期)の栽培で、安定して増加傾向である。

 

期待する効果

 当所が保有するシーズ技術として、将来の養分集積土壌における適切な野菜栽培管理技術開発への応用を目指す。

 

連絡先

 農業技術センター農産園芸部 0790-47-2423