開発技術名
「(R3)葉物野菜に対する有機質肥料の効果的な施肥技術」
技術開発の経緯
兵庫認証食品取得に向け、化学肥料低減技術として有機質肥料の利用が推奨されている。しかし、有機質肥料は冬場の低温期では肥効が安定せず、化学肥料に比べ肥効が劣る傾向にある。そのため有機質肥料の肥効特性を把握して、冬期を中心にコマツナ、ホウレンソウに対する効果的な施肥方法を検討した。
開発技術の内容
ア 県内流通量の多い有機質肥料7種類(有機アグレット666、やさいめいじん432等)およびその原料14種類(鶏ふん、
大豆油かす粉末等)について、無機化特性と窒素無機化量推定プログラム(岡山農試提供)を利用することで、実測地温
から窒素無機化量が推定可能となり、作型に応じた施肥量の決定が活用可能となる。
イ 本技術は畑地転換後5年以内の転換畑土壌での結果に基づいており、適応対象は腐植含量3%程度の土壌である。連作や
堆肥連用により腐植含量の高い(5~10%)土壌では硝化が早く、低温期でも施肥由来窒素の肥効が高まると考えられる
ため、別途検討が必要となる。
ウ コマツナおよびホウレンソウの冬作型(播種:令和3年12月8日)において、有機質肥料を播種2週間前に施用し、3L/
㎡の水を散水後、ハウスを密閉することで地温を高め(1.8℃上昇)、無機化を促進することにより、化成肥料と同等の
生育、肥効が得られる。
期待する効果
冬期の低温でも、有機質肥料の効果的な利用が可能になり、化学肥料を代替できるため、化学肥料の使用量を低減させることが可能となる。
連絡先
農業技術センター 農産園芸部 0790ー47-2423 (作成者:赤曽部 雅史)