開発技術名
肥育牛における体脂肪の脂肪酸組成に及ぼす要因
技術開発の経緯
牛肉脂肪を構成するモノ不飽和脂肪酸(MUFA)は、牛肉の口溶けや舌触りを良くし、美味しさに大きく関与すると言われており、令和2年から枝肉市場でMUFA割合の表示販売が開始された。県ではMUFA割合を指標とする遺伝的改良に取組んでいるが、生産者によるばらつきも大きく、飼養管理による改善技術の開発が求められている。
開発技術の内容
ア MUFA割合と発育との関係を調査したところ、1日あたり増体量(以下DG)の間に正の相関関係がみられ、相関係数は肥育前期0.114、肥育中期0.581、肥育後期0.236と、肥育中期が最も高い。
イ 肥育中期のDGと血液性状との関係を調査したところ、肝障害の指標であるASTおよびγGTPの間に負の相関関係(r=-0.626、-0.628)が認められる。肥育中期の発育および肝機能の改善によりMUFA割合を高められる可能性がある。
期待する効果
生産現場における飼養管理技術によるMUFA割合の向上が期待できる。