開発技術名

「大豆狭条栽培における難防除雑草の徹底防除が可能な除草剤施用体系」

 

技術開発の経緯

 近年の大豆作では、経営規模拡大に伴う省力栽培や極端な気象経過等の影響を受けて、難防除雑草(ホソアオゲイトウ、ヒロハフウリンホオズキ、帰化アサガオ類など)が収穫期まで繁茂するようになってきた。その結果、収穫作業能率の低下や収量・品質が著しく損なわれる事例が増加している。特に、帰化アサガオ類は大豆生育期間を通して発生し、つる性植物で生育や種子形成が旺盛なことから、非選択性茎葉処理剤を使用すること以外に徹底防除することが非常に困難となっている。

 

開発技術の内容

ア 大豆(狭条密播)栽培の出芽期から5葉期以降にかけて、下記に示す除草剤を適切な施用方法及び施用時期に処理することで、難防除雑草の徹底防除が可能となる。
 ア) 大豆出芽揃(そろ)い期: イマザモックスアンモニウム塩液剤の全面処理
 イ) 大豆3~4葉期: ベンタゾン液剤の全面処理
 ウ) 大豆5葉期以降: グルホシネート液剤の畦間株間処理
 ※全面処理:乗用管理機等で大豆茎葉を含めて薬剤を地上部全面に処理する方法
 ※畦間・株間処理:吊り下げノズルを用いて大豆の畦間だけでなく、株間まで適切に薬剤を処理する方法
イ この除草剤施用体系の要点は以下のとおりである。
 ア) 畦間・株間処理の作業精度を高めるために、大豆の条間を40cmに設定する。
 イ) 帰化アサガオ類防除には、イマザモックスアンモニウム塩液剤による「つる」伸長抑制効果を有効に活用することが必須である。
 ウ) 雑草の再発生を抑えるには大豆茎葉の被陰力が重要であるので、斉一な苗立ちと生育が得られるように努める。

 

期待する効果

 雑草害で減収している経営体における大豆収量性の回復、所得向上が見込める。

 

連絡先

 農業技術センター農産園芸部 0790-47-2412 (作成者:牛尾 昭浩)