開発技術名
「乳成分分析装置から得られる乳牛個体情報に基づくNeural Net(人工知能)構築」
技術開発の経緯
乳成分分析装置は乳脂率などの一般乳成分に加え、装置から取得できる赤外線スペクトルを解析することで、脂肪酸組成や一部の血中エネルギー代謝指標項目の測定技術を開発してきた。これら複数の生体情報に基づく泌乳牛の栄養・疾病状態の自動診断システムを開発するため、Neural Net(人工知能)の構築を試みた。
県内46戸の牛群検定農家から収集した述べ5471頭の乳成分などの個体データから各指標項目のSelf-organizing maps(SOM)1)を作成し、1~364のBest much unit(BMU)番号に割り振られた個体の統計値を生産獣医療学的に比較・検討し、体脂肪動員やケトーシスといった牛の栄養・疾病状態と関連するエリアマップを作成した。
開発技術の内容
エリアマップを基にFeed forward(FFNN)型人工知能2)を開発する。この人工知能を別途開発中の酪農情報サーバー上で運用することにより、牛群検定情報を過去に遡って時系列で解析し、牛群の栄養・疾病状態を自動診断させる。
【用語説明】注1) 多次元データを人工知能を用いて自動的に仕分けた出力結果。注2)最も基本的な人工知能で、情報が入力層から出力層へ一方向に流し、教師データと出力の差が小さくなるまで繰り返すことによりネットワークの学習を行う。
期待する効果
飼養管理の改善、周産期疾病の予防により生乳生産を10%増産する。
連絡先
淡路農業技術センター畜産部 0799-42-4880 (作成者:生田 健太郎)