開発技術名

「乳成分分析装置の赤外線スペクトル解析による乳中脂肪酸組成の推定」

 

技術開発の経緯

 乳牛が生産する牛乳中の脂肪酸組成は乳牛の健康状態によって変動する。そこで脂肪酸組成を簡単に測定できれば、乳牛の健康状態の把握に有用である。乳汁の採取は容易であるため、乳汁を迅速かつ低コストで測定できる乳成分分析装置を活用できれば、経営改善に非常に役立つ。そこで、赤外線乳成分分析装置でスペクトルデータを取得するとともに、従来法のガスクロマトグラフィーで脂肪酸組成を分析し、このデータセットを用いて、赤外線スペクトルから脂肪酸組成を推定する検量線を作成した。

 

開発技術の内容

 推定可能な脂肪酸は炭素数(C)が4~20までの計18種類の個別脂肪酸と、ルーメン発酵産物に由来するDe novo脂肪酸群(C4~C14)、飼料、体脂肪に由来するPreformed脂肪酸群(C18~C20)及びその両方に由来するMixed脂肪酸群(C16:0とC16:1)である。いずれも、牛群検定時に採取される乳汁を用いて分析し、測定結果は、直ちに酪農家に還元される。

 

期待する効果

 飼養管理の改善、周産期疾病の予防により生乳生産を10%増産する。

 

連絡先

 淡路農業技術センター畜産部 0799-42-4880 (作成者:生田 健太郎)