開発技術名
「多変量解析による脂肪肝の間接的診断法」
技術開発の経緯
高泌乳化が進む乳牛では分娩後に大量のエネルギーを必要とするが、エサだけではエネルギーが不足する結果、体脂肪を動員するため、動員された体脂肪が肝臓に蓄積し、脂肪肝になりやすい。このことが、生産性低下の主たる原因となっている。しかし、脂肪肝は正確な診断が困難である。そこで、乳量や乳成分などのデータを基に多変量解析による脂肪肝の間接診断法を開発した。
開発技術の内容
乳量、体重、BCS、乳糖率、体細胞リニアスコア、C6:0、C18:0、C18:2、C18:3n6の7測定項目から的中率93.3%で脂肪肝になる、又は、ならない確率を算出する。
BCS(ボディ・コンディション・スコア):痩せているか肥っているかの指標
体細胞リニアスコア:乳房炎の指標
C6:0:カプロン酸(乳中脂肪酸の一種)
C18:0:ステアリン酸(乳中脂肪酸の一種)
C18:2:リノール酸(乳中脂肪酸の一種)
C18:3n6:γリノレン酸(乳中脂肪酸の一種)
期待する効果
周産期疾病予防による死廃事故の低減、繁殖成績の向上等により乳生産量が10%程度増加
連絡先
淡路農業技術センター畜産部 0799-42-4880 (作成者:生田 健太郎)