開発技術名
「兵庫I-3号(あまクイーン)、兵庫I-4号(紅クイーン)の栽培上の特性」
技術開発の経緯
県内イチゴ生産者から直売や観光に適した兵庫県オリジナルイチゴ品種を望む声の高まりを受け、新系統を育成した。「兵庫I-3号(愛称:あまクイーン)」、「兵庫I-4号(愛称:紅クイーン)」として品種登録され(H29.2.8付官報)、現地普及に向け、両品種の特性把握試験を行った。
開発技術の内容
ア 「兵庫I-3号」は、開花が早く、需要の多い時期(年末)に収量が多い。草勢管理には、灌水量や電照の調節など、こまめな管理を要する。
イ 「兵庫I-3号」の草勢管理は、概ね現行栽培マニュアルを基本とするが、2月以降所要給水量が急増するため、灌水を多めに管理する。電照は、従来より早めの11月上旬から開始し夕方から5時間、草丈を見ながら12月下旬~2月中旬を夕方から24時にする等、段階的に時間帯を拡大する。
ウ 「兵庫I-4号」は、厳寒期の草勢低下が小さく、管理しやすい。総収量も多いが、果実の色づきにはやや時間がかかるため、光線を反射する白色シートを利用し、果実温度を高めて着色促進することにより品質が向上する。地温低下により初期収量はやや抑えられるが、総収量は慣行と同等である。
期待する効果
「兵庫I-3号」「兵庫I-4号」の特性が明らかになることで生産が安定し、さらなる導入促進につなげる。
連絡先
農業技術センター農産園芸部 0790-47-2423 (作成者:山本 晃一)