開発技術名

「イチゴ「章姫」の高設栽培における培地加温技術」

 

技術開発の経緯

 原油価格は不安定で高騰時には冬期の暖房コストの著しい増加による農家経営の圧迫が大きな問題となっている。また、地球温暖化抑制の観点から、省エネルギー型の生産技術の開発が強く求められている。

 

開発技術の内容

ア 兵庫方式高設栽培装置内部のコルゲート管内に、電熱線を通し培地を加温する方法である。既存の施設への追設も可能であり、資材費は約16.7万円/10aである。
イ 「章姫」を使用し、冬季のハウス内最低気温を4℃、最低培地温を13℃に設定する。これにより、気温が低くても培地温が確保されるため、株の草勢維持が可能となり、3月までの収量も慣行栽培と同等以上が期待できる。
ウ 2016年度、加西市の気候条件下での調査結果を基にコストを試算すると、気温設定を8℃→4℃に下げることにより燃料消費量が約90%減となり、10a当たり燃料費が43万円減少した。一方、同期間中電力使用量は約5,000kWh/10a、料金は12.4万円/10aと試算される。

 

期待する効果

 「章姫」栽培においては、本技術の導入により、ハウス内気温設定を大幅に下げながら同等の収量を得ることが可能となる。気候条件にもよるが暖房費の大幅な削減が期待できる。特に、小型ハウスは容積の割に表面積が大きいため、規模の割に暖房費がかかることから、効果が高い。

 

連絡先

 農業技術センター農産園芸部 0790-47-2423 (作成者:山本 晃一)