開発技術名

「イチゴ地床栽培の省力化のための1条植え栽培技術」

 

技術開発の経緯

 イチゴ栽培は、10a当たり植え付け株数が7,000本以上と多く、定植後の栽培管理は、長期にわたる収穫やその他の作業を要するため、軽労化・省力化が進まず大きな課題となっている。
 そこで、イチゴ土耕栽培における労力軽減のため、株数を大幅に減少させる1条疎植栽培法を試みた。

 

開発技術の内容

ア 従来のうね幅120cmの2条植えに対し、うね幅100cmの1条植えにすると、株間を慣行同様の23cmとした場合、単位面積当たりの株数は40%減少し、育苗に要する経費、手間も減少する。
イ そのため、一株一株に対して行う作業(育苗、定植、摘葉・摘果など)にかかる労力は約40%、収穫作業も約20%と大きく削減される。また、株の両側から作業できるため作業がしやすい。
ウ 1株当たり収量が増加することから、面積当たりの収量は、慣行の2条植えに比べ約85%となるが、経営経費のうち種苗費などの流動経費が17%、労働時間減により労働費も24%減少するため、経営収支は慣行の2条植えに比べ94.2%と、大差なく得られる。

 

期待する効果

 慣行の2条植え栽培に比べ、収量をあまり減少させることなく、栽培管理労力が大幅に軽減可能で、小規模高齢生産者、省力化が必要な大規模生産者への普及、生産拡大が期待できる。

 

連絡先

 農業技術センター農産園芸部  0790-47-2423   (作成者:山本晃一)