開発技術名

「日射制御型拍動自動灌水装置とポリマルチ栽培でヤマノイモの収量、品質向上」

 

技術開発の経緯

 ヤマノイモの生産は気象に影響されやすく、収量・品質の年次変動が大きいため、栽培面積が昭和46年の296haから平成19年の125haに減少した。特に新規参入者の技術レベルは低く、気象の変動に左右されない栽培技術が求められている。そこで、ヤマノイモの栽培畝中央に点滴チューブ(20cmピッチ)を敷設し、日射に応じてソーラーパネルの起電力を使って水をくみ上げる、日射制御型拍動自動灌水装置による灌水を行い、併せてポリマルチ栽培との併用効果を検証した。

 

開発技術の内容

ア 拍動自動灌水装置と点滴灌水チューブの使用で、5月から9月中旬まで灌水を行い、灌水量を晴天日1日1株当り0.5L程度とする。これにより、全収量は48%増加して798kg/10a、秀品率は21%から48%となり、10a当たりの粗収益は19万8千円から39万8千円まで増加する。
イ ポリマルチと灌水同時施肥技術を組み合わせると、元肥半量(総施用窒素量38%削減)でも慣行栽培と比べて収量は1.4%多く546kg/10a、秀品率は21%から29%まで増加し、10a当たりの粗収益は19万8千円から22万3千円に増加する。

 

期待する効果

 新規参入者の技術レベルアップにより、「丹波ヤマノイモ」ブランドの維持、強化に貢献する。

 

連絡先

 北部農業技術センター農業・加工流通部 079-674-1230  (作成者:竹川昌宏)