開発技術名

「日射制御型拍動自動灌水装置による夏秋ピーマンの高品質、多収生産」

 

技術開発の経緯

 平成18年、豊岡農業改良普及センターより、夏秋ピーマン栽培における夏期の収量の低下や障害果の多発に対する対策の要望があった。そこで、北部農技の提案と合わせて「ピーマンの高温対策による長期安定生産技術の開発」と題し平成19~21年度に課題化し、一部は「農業改良普及促進事業 産学官連携経営革新技術普及強化促進事業」により実施した。
 耐暑性品種及び各種資材の検討、樹勢維持のための栽培管理技術、現地実証試験に取り組み、特に「日射制御型拍動自動灌水装置の適応性」に重点を置いて試験を実施した。

 

開発技術の内容

 日射制御型拍動自動灌水装置による夏秋ピーマン栽培は、日射に応じた灌水同時液肥施用により土壌水分が適湿に保たれると共に減肥栽培が可能となり、根系の発達や樹勢の維持ができる。これにより、果実のスムーズな肥大が図られ、秀品率向上や障害果率減少による増収効果が認められた。
 また、本装置での栽培は、水量の少ない場所での効率的な用水の利用や畝内のチューブ低圧点滴灌水により、通路面の堪水がなく常に乾燥状態が保たれ、収穫作業や整枝、防除などの管理作業を容易に行うことができる。

 

期待する効果

 本灌水装置は、誰にでも簡単に使いこなせ、特に夏期の収量増と高品質化が図られることから慣行栽培の5~15%程度の増収が可能となる。さらに、30%の減肥栽培が可能であることから農家経営の安定に貢献すると思われる。

 

連絡先

 北部農業技術センター農業・加工流通部 079-674-1230