開発技術名

「コマツナのカリウム欠乏症状を抑制する土壌条件」

 

技術開発の経緯

 施設のコマツナ栽培において、従来の土づくり指針では問題のないとされる土壌でも、高温期にカリウム欠乏と考えられる生理障害が発生して品質を損ねていた。コマツナのカリウム欠乏症は、生育中後期に中位葉の葉縁付近にかすり状の小斑点もしくは壊死斑を生じる症状である。本障害の原因の究明と発生を抑制する土壌条件について検討した。

 

開発技術の内容

ア 土壌中の塩基バランスの偏りは、コマツナのカリウム欠乏症の発生を助長する。
イ 上記症状が発生し、植物体のカリウム濃度が2%以下の場合は、カリウム欠乏症である可能性が高い。
ウ カリウム欠乏症状の発生を抑制するカリ/石灰当量比は0.04以上である。
エ 土壌診断結果によりカリ/石灰当量比が0.04未満の場合、カリ肥料を施用して塩基バランスを是正する。塩類集積土壌の例として石灰800mg/100gの時、当量比0.04はカリ54mg/100gに相当する。

 

期待する効果

 本技術により、カリウム欠乏症状発生を未然に防止できる。

 

連絡先

 農業技術センター農産園芸部 0790-47-2423(作成者:本田 理)