開発技術名

「加工・業務用ホウレンソウの省力、低コスト安定生産技術」

 

技術開発の経緯

 ライフスタイルの変化により、中食・外食の利用が増加し、野菜需要量のうち55%が加工・業務用となっている。加工・業務用野菜は輸入が30%と多いが、原産地表示、ポジティブリスト制の施行、消費者の安全・安心指向から、国産への要望は高い。また、学校給食への国産野菜導入への期待や、サラダ等簡易調理に向く野菜品目の需要が増加している。ホウレンソウは加工・業務用野菜として期待されており、またサラダ用の品種も育成されつつある。このため、需要の増加が見込まれる加工・業務用ホウレンソウの省力・低コスト安定生産技術を確立する。

 

開発技術の内容

ア 加工用ホウレンソウ
 収量は「クロノス」が3.0t/10aと多く、草姿が立性で、葉色も濃い。
 12月上旬収穫(冬どり)の播種時期は9月下旬で、うね幅135cm、4条播き、株間4cm (74株/㎡) とし、施肥は窒素成分で基肥7.5kg、追肥22.5kg/10aの追肥1回体系とする。また、1月下旬播種で4月収穫(春どり)栽培も可能である。
 大雨による根傷み対策には、額縁明渠と弾丸暗渠を施工するか、高畝にするなどの湿害対策が有効である。
 圃場で直接葉を刈って収穫すると、収穫後、調製作業をして根を切り落とすよりも、作業時間は半分以下となる。
イ サラダ用(生食用)ホウレンソウ
 7月~1月播種では、あくが少ない「味サラダホウレンソウ」、「早生サラダあかり」がよい。5月まきは抽苔を避けるため、「夏用味サラダホウレンソウ」がよい。
 収穫作業は加工用ホウレンソウと同様、ハウス内で葉を刈り取って収穫すると、作業時間が従来の半分以下となる。

 

期待する効果

 加工・業務用野菜として、集落営農での品目拡大による、経営の安定に寄与する。また、加工業務用ホウレンソウの栽培が増加することにより、野菜増産プロジェクト事業に貢献する。

 

連絡先

 農業技術センター農産園芸部 0790-47-2423    (作成者:竹川昌宏)