開発技術名

「加工・業務用大玉キャベツ生産のための栽培技術と省力化体系」

 

技術開発の経緯

 加工・業務用野菜の国内産シェアの増加が求められており、省力・低コストな加工・業務用野菜の栽培技術確立が必要である。キャベツでは生産量の約半量が加工・業務用に供されているが、加工時の歩留まりや作業性から市場出荷用のM・Lサイズ(1~1.6kg)よりも大きいサイズが望まれる。また収穫作業省力化の観点から、生産ほ場ではキャベツを一斉に収穫する。そこで、加工・業務用に適した大玉キャベツ生産のための、一斉収穫を前提とした栽培技術及び省力化体系について検討した。

 

開発技術の内容

①結球肥大性が良好で芯が小さい等、加工・業務用適性を持つ寒玉系品種として、10月収穫「凛」「征将」、11月収穫「おきな」、12月収穫「冬藍」、1~3月収穫「夢舞台」「彩音」、4月収穫「冬のぼり」、6月収穫「YR天空」 「初恋」を選定した。
②栽植密度を10 a当たり3,700株~4,200株と市場出荷用に比べやや疎植にし、結球重は加工・業務用に最適な2~2.5kgで収穫すると、単位面積当たり収量は低下しないことを明らかにした。
③基肥に速効性肥料、追肥にやや緩効性のジシアン燐硝安加里を用いる施肥体系により、追肥回数を市場出荷用慣行の2~3回から1回に削減できることを実証した。
④大型コンテナ(容積0.9m3)を搬出兼出荷容器とし、運搬車を直接ほ場に乗り入れ、一斉収穫することで、収穫搬出の作業時間を約50%削減できることを明らかにした。

 

期待する効果

 大玉キャベツ生産(1.5kg/個→2~2.5kg/個)、単位面積当たり収量約30%増(5t/10a→7t/10a)、追肥の省力化(2~3回→1回)、収穫搬出作業約50%削減(45時間/10a→22.8時間/10a)。
 本技術は20a以上の経営規模において適応できる。

 

連絡先

 農業技術センター農産園芸部 0790-47-2423