開発技術名

「休眠枝を用いた高接ぎによるブドウ優良品種への早期更新技術」

 

技術開発の経緯

 本県におけるブドウの主要品種は、マスカット・ベーリーA、ピオーネ、藤稔であるが、最近、消費者の嗜好性の高いシャインマスカットなどの優良品種が育成された。このため、経営の安定や産地の活性化等を図るにはこれら品種の早急な導入が望まれるが、慣行の改植による更新では成園化(H型整枝、主枝長16m)までに5年程度は要する。そこで、加西普及センターからの要望をうけ、優良新品種の選定、栽培技術の確立とともに課題化した。その結果、更新時の未収益期間を短縮するのに有効な高接ぎ更新技術を開発した。

 

開発技術の内容

 3月に既存樹の主枝を一部被覆下の分岐部(H型整枝樹では4ヶ所/樹)で切除し、せん定時に確保、冷蔵しておいた休眠枝を5~6月に剥ぎ接ぎすることで、病害を予防しながら早期に主枝を回復できる。これにより、高接ぎ翌年から収穫が可能となり、3、4年で成園化が図れる。

 

期待する効果

 品種等更新時の成園化までの年数:(慣行)5年程度 → 3、4年
 これにより、品種更新を促進でき、産地活性化や経営の安定に寄与できる。

 

連絡先

 農業技術センター農産園芸部 0790-47-2424 (作成者:水田 泰徳)