開発技術名
「分娩後2週目の性腺刺激ホルモン類縁化合物投与による卵巣周期の早期形成」
技術開発の経緯
令和元年度の開発技術として、分娩後早期からの定時人工授精(TAI)の実施により、繁殖成績の向上が可能であることを報告したが、より効果の高い繁殖管理技術を求める声もあることから、さらなる成績改善を目的とした分娩後早期TAI技術の改良を試みた。
開発技術の内容
分娩後最初に形成される主席卵胞が分娩後3週目以内に排卵した牛では、排卵しなかった牛に比べてその後の繁殖成績が良好であることが報告されている。乳牛の分娩後2週目にGnRH類縁化合物を投与することで、対照区(11.1%)に比べて高い割合(90%)で主席卵胞の排卵とその後の黄体形成を促し、早期に卵巣周期を形成することが可能である。また、分娩後5週目の総コレステロール値が200mg/dl未満の牛における分娩後早期TAIの受胎率は、対照区が0%(0/6)であったのに対しGnRH投与区は50%(5/10)であり、栄養状態が低い牛における受胎率を向上させる可能性がある。
期待する効果
分娩後早期からの卵巣周期の形成により、繁殖成績の向上につながる可能性がある。
連絡先
淡路農業技術センター 畜産部 0799-42-4935 (作成者:石川 翔)