開発技術名

「水稲・麦・大豆 連続不耕起輪作体系の確立」

 

技術開発の経緯

 水田を中心とする土地利用型農業において、規模拡大と生産コストの大幅な低減を可能とする技術体系が求められている。そこで、水稲-麦-大豆の輪作体系に不耕起栽培を導入して、労働時間削減、機械稼働率向上、経営規模拡大等により、生産コストの大幅な削減をめざす。

 

開発技術の内容

 水稲-麦-大豆の不耕起輪作体系における作目別の必須要件は以下のとおりであった。
水稲:①減水深2cm/日以内のほ場を確保する、②窒素成分を基肥として8~10kg/10a、入水後の分げつ促進に2kg/10a追肥する、③除草剤を、播種後出芽前、入水直前、入水後の3回体系で処理する、④ヒノヒカリ等晩播適性の高い品種を導入する。
麦:①播種前のほ場表面の排水促進(額縁明きょ+弾丸暗きょ+管理溝)により苗立ちの向上を図る、②生育量確保のために2月追肥(窒素2~4kg/10a)を行う、③フレールモアで前作の収穫残渣を細断処理し、播種精度を向上させる。
大豆:①「サチユタカ」を用い、狭条密播で晩期播種する、②除草体系は次の3回処理をする、(ア)グリホサート剤の播種直前茎葉処理、(イ)播種後出芽前に土壌処理剤を施用する、(ウ)大豆本葉3葉期にベンタゾン液剤とイネ科茎葉処理剤を施用する。
 この体系の成立条件として、水稲では水もち、麦では排水性、大豆では排水性と保水性と、相反するほ場条件が必要である。

 

期待する効果

 経営規模100haに不耕起栽培を導入すると、①60kg当たり生産コストを水稲7,000円、麦類7,000円、大豆10,000円以下に低減できる。②労働時間は、水稲:4.2時間/10a(12%)、大麦:5.6時間/10a(95%)、大豆:6.8時間/10a(90%)となる(カッコ内は平成21年度統計対比)。

 

連絡先

 農業技術センター農産園芸部 0790-47-2412