開発技術名

「黒大豆葉付き乾燥技術の開発」

 

技術開発の経緯

 特産の丹波黒大豆は、従来の収穫法では年内早期出荷のためには葉落とし(葉取りともいう)作業が必須となる。この作業は11月上旬では10a当たり数十時間を要し、11月下旬になると自然落葉も始まりようやく10~12時間ほどになる。作業省力化ニーズは県南ほど高く、また篠山市においても暖冬傾向のため自然落葉時期は近年遅れがちである。
 平成16年から経常試験を開始し、平成18~19年には県農業機械緊急開発事業で制御盤の開発を行うなど、葉落としが省略できる葉付き乾燥技術の確立を、丹波(旧篠山)農業改良普及センターとともに現地の協力を得て行った。

 

開発技術の内容

 葉付き状態で収穫した黒大豆株を乾燥できる乾燥機と乾燥技術を開発した。乾燥機の制御方式は、従来のアナログ方式からデジタル方式に転換するとともに、従来の湿度逓減管理(少しずつ下げる)から定湿管理に変更し、乾燥温湿度を時期別にプリセットしている。開発乾燥機によれば1ロット20a程度を従来法に比べ品位を下げずに乾燥できる。

 

期待する効果

 慣行方法の乾燥時期に比べ1週間早い11月15日頃から乾燥ができる。初期は1ロットあたり3日程度の乾燥日数となるが、脱粒、手選別を経てこれまでより2回分で約500kgを余計に11月出荷が可能となるほか、早期出荷の単価は2割高めで精算(篠山市)できている。本乾燥機は、通常の葉取り乾燥にも対応できるので、葉付き乾燥→葉取り乾燥→自然落葉乾燥など、一連の作業方式組合せによる効率的使用が可能である。

 

連絡先

 農業技術センター農産園芸部 0790-47-2412