開発技術名

「提案型施業見積書作成システムの開発」

 

技術開発の経緯

 スギ、ヒノキなどの針葉樹を植栽して長期間が経過する森林の所有者にとって、間伐や主伐を実施する際、その収支状況が簡単に把握できるシステムの開発が望まれている。

 

開発技術の内容

 平成21年度に開発した「兵庫県システム収穫表」を拡充し、実際現場で行われている列状間伐に対応させて様々な条件下でも見積書の様式で正確な収支が提示できる提案型施業見積システムを作成した。これによると、間伐事業の収支を見積もるだけでなく、間伐実施後(10、20年後)の林分状況(平均胸高直径、樹高、材積、直径分布、収量比数、形状比、樹冠長率)の推定が可能となり、将来への経営方針の確立に資することができる。尚、本システムは、東京大学大学院、森林総合研究所関西支所の協力により開発した。

 

期待する効果

 間伐等の施業の収支が事前に算定できることにより、林地毎の採算性による森林経営計画の策定対象地の抽出や施業実施箇所の掘り起こしが可能となり、森林整備の推進に資することが期待される。
 また、採算性や搬出条件等を指標としてゾーニングを行うことにより、今後の木材供給可能量の算定や路網整備計画の策定に資することが期待される。

 

連絡先

 森林林業技術センター森林活用部 0790-62-2118 (作成者:岩村裕・塩見晋一)