開発技術名

 施設栽培コマツナに散布処理したネオニコチノイド系農薬の残留動態

 

技術開発の経緯 

 葉物野菜は可食部に直接農薬が付着しやすいことに加え、軽量であるため残留農薬が検出されやすい傾向にあることから、ひょうご安心ブランドの認証基準を超える事例が確認されている。そこで葉物野菜で広く使われているネオニコチノイド系農薬5成分(ジノテフラン、イミダクロプリド、チアメトキサム、アセタミプリド、チアクロプリド)を施設栽培コマツナに散布処理し、農薬成分の化学特性や光環境が残留動態に与える影響を評価した。

 

開発技術の内容

ア コマツナ中の残留農薬は、水中光分解性半減期が短い成分(イミダクロプリド、ジノテフラン、チアメトキサム)の減少割合が大きい。

イ 5成分ともに散布処理後に60%、85%の遮光ネットを被覆すると、処理714日後の残留濃度は遮光が強くなるほど高くなるが、国の残留農薬基準値の超過は認められない。

ウ 5成分ともに散布処理後に畝の上及び通路に反射資材(商品名:虫フラッとシート)を敷くと散布714日後の残留濃度が低くなる傾向が認められる。

エ 光環境が施設栽培コマツナの残留濃度に影響することが明らかとなった。

 

期待する効果 

 ひょうご安心ブランド農産物栽培において散布処理する場合は、水中光分解性半減期が短い成分を優先的に選択すること、特に曇雨天が続く場合は残留特性を理解して使用農薬を選択することで、ひょうご安心ブランド農産物の残留基準値(食品衛生法の残留農薬基準の10分の1以下)の要件に適合しやすくなる。