開発技術名

「山田錦」の栽培支援アプリの実用化に向けた改良


技術開発の経緯
 

 

 「山田錦」の高品質かつ安定生産を図るために、スマートフォンを活用した「山田錦」栽培支援アプリ(穂肥診断用アプリ「Rice Cam Y」、刈取適期診断用アプリ「Grains Cam」)を開発し、現地試験を通して、現場での適合性を確認し、精度向上に向けたアプリの仕様変更など、実用化に向けた改良を行った。

 

開発技術の内容

 

ア 穂肥診断アプリ「Rice Cam Y

 「植被率」と、生育の実測データ(生育量)に相関関係があることに着目し、スマートフォンの撮影画像を用いて、複数年の施肥試験データから適正な施肥量を算出するアプリ。

【測定方法】幼穂形成期(出穂約20日前)に、平均的な生育を示す「山田錦」の上端約70cmの位置からスマートフォンで稲株を撮影し、画面上で4株(2×2)を指定して、画像をサーバーに送信することで、即時に適正な1回目穂肥量(窒素成分量)が算出される。

【留意点】雑草や藻が生えている場所や、夕日など横から光が差し込む条件では正確に植被率を判定できないため、そのような条件での測定はしない。

イ 刈取適期診断アプリ「Grains Cam

 スマートフォンの撮影画像の、籾の緑色と黄色の比率から黄化籾率を算出し、黄化の進行速度の係数を掛けて、収穫適期を算出するアプリ。

【測定方法】収穫1週間前頃、専用のグレーのカルトン上に2穂程度の籾を取ってアプリで撮影し、画像送信することで、即時に収穫適期を知ることができる。

【留意点】色を判定しているため適正な光条件が重要であり、曇りや明るい日陰で用い、直射日光下、車内など暗所での撮影は避ける。

 

期待する効果 

 

 アプリの活用で、手軽に適正施肥量・収穫適期を把握でき、「山田錦」の高品質、安定生産により、産地としてのブランド力の維持・向上につながる。