開発技術名

 

 水稲-小麦-大豆輪作体系における春播き(水稲作付前)緑肥の肥料代替効果

 

技術開発の経緯 

 

 水稲小麦大豆の2年3作体系における堆肥や緑肥による地力増進対策として、大豆後水稲作付前の休耕期間を活用した緑肥導入による肥料代替効果やその持続性を明らかにして、肥料等の資材費低減や栽培品目の生産性向上を図り、経営体の収益力向上につなげる。

 

開発技術の内容

 

ア 水稲作付前の2月末から3月初旬にかけて、発酵鶏糞200kg(現物窒素成分約2%)を施用してシロガラシを3kg/10a播種する。5月下旬の開花終期にフレールモアで細断後に鋤き込むと窒素成分換算で約45kg/10aの肥料効果が見込める。窒素成分6kg/10aの肥料を施用して「どんとこい」を栽培すると、すき込みなし区(543kg/10a)に比べて約2割増収(652kg/10a)する。

イ 同時期にヘアリーベッチを3kg/10a播種して、草高が70cmに達した時に細断処理してすき込んだ場合、窒素成分換算で68kg/10aの肥料代替効果が見込め、無肥料栽培において業務用米の「とよめき」で754kg/10a、同「えみだわら」で777kg/10aの収量が得られる。

ウ 後作に小麦「せときらら」や大豆「サチユタカA1号」を栽培したときの春播き緑肥の持続性について、すきこみなし区の収量(小麦:596kg/10a、大豆:370kg/10a)と比較して、小麦では10%未満の増収傾向があり、大豆ではすき込みなし区と同等である。

エ 以上より、緑肥の肥料代替効果は短期的で、施用直後の水稲には非常に高い肥料代替効果が見込めることから、小麦、大豆に対する緑肥の残効は限定的ながら、春播き緑肥の水稲への肥料代替効果を活かした「水稲小麦大豆」輪作体系として導入可能である。

 

期待する効果 

 

 水稲小麦大豆の2年3作高度輪作体系における休耕期間を活用した緑肥導入により、水稲の肥料費は節減できる。一方、緑肥導入により、種子代等のコストや播種、細断等の作業は増えるものの、緑肥の被覆等による圃場の管理コスト低減が見込め、景観形成等の付加価値の創出が可能になる。