開発技術名

 

 ゲノミック評価値を活用した搾乳速度の改良

 

技術開発の経緯 

 

 繋ぎ飼いやパーラー搾乳の酪農家において全労働時間に占める搾乳時間の割合は大きく、搾乳時間の延長は労力負担の増加につながる。また、近年増加傾向にあるロボット搾乳牛舎においても、搾乳速度の遅い個体の存在は他の牛の搾乳機会を減少させ生産性の低下につながる。これらのことから、ゲノミック評価を活用した遺伝改良による搾乳効率の改善方法を検討した。

 

開発技術の内容

 

ア 個体毎に搾乳時の最高流速と平均流速(いずれもkg/分)を測定し、搾乳速度のゲノミック評価値(国内、海外)との相関および、個々の牛とその両親の搾乳速度の評価値との相関を調べる。

イ  搾乳速度のゲノミック評価値と搾乳時の最高流速および平均流速の間には、国内、海外評価ともに泌乳前・中・後期のほぼ全ての泌乳ステージにおいて中程度(r>0.4)から強い相関(r>0.7)がある。

ウ 娘牛の搾乳速度の海外ゲノミック評価値は、父牛、母牛それぞれの搾乳速度の評価値とは中程度の相関(r=0.490.46)を示し、両親の搾乳速度の平均値とは強い相関(r=0.78)を示す。国内ゲノミック評価値は父牛の評価値とは中程度の相関(r=0.42)、母牛の評価値とは弱い相関(r=0.26)、両親の搾乳速度の平均値とは中程度の相関(r=0.56)を示す。

エ 以上のことから、飼養する雌牛と交配する種雄牛双方の搾乳速度のゲノミック評価値を考慮しながら後継牛の生産を行うことで、牛群の搾乳速度を改良していくことが可能である。

 

期待する効果 

 

 牛群全体の搾乳速度が向上することで、酪農家の労働時間の短縮や、搾乳ロボットの稼働効率の向上による生産性向上が期待できる。