開発技術名

 施設葉物野菜(コマツナ・ホウレンソウ)の通年適用可能な生育予測モデル

技術開発の経緯 

 施設葉物栽培において、労働力の効率的配置や事前契約による有利販売をするためには、出荷予測が求められている。しかし、施設葉物野菜は通年で栽培されるため、これに対応した生育予測モデルが必要である。そこで、コマツナ・ホウレンソウで通年利用できる生育予測モデルの開発を試みた。

開発技術の内容

ア コマツナ、ホウレンソウとも「最適生育気温(T)」があり、日平均気温がそれを超えると生育が遅くなる。コマツナは21.6℃、ホウレンソウは19.6℃である。

イ 出芽以降、最適生育気温から超えた分を減算した日平均気温の積算値(出芽後補正積算気温(x))を以下の予測式に代入すると、草丈(ycm))が得られる。

コマツナ:y = 0.08x – 5.31T = 21.6R² = 0.90

ホウレンソウ:y = 0.07x – 4.15 (T = 19.6R² = 0.91)

ウ コマツナ、ホウレンソウの1年を通した作型で、播種日からの施設内環境データ(日平均気温)により生育モデルを用いることで、草丈を推定し、出荷時期を予測できる。

期待する効果 

 葉物野菜経営の出荷予測を行うことで、事前契約による有利販売や収穫・調整作業の労力の適正配置による経営の安定化につながる。