他の生物の遺伝子を人工的に導入(組み換え)して作られた作物のことをいいます。これまでにダイズ、トウモロコシ、ワタ、ナタネ、アルファルファ、パパイヤなどが商業栽培されています。国内では遺伝子組み換えのイネやジャガイモなども開発されていますが、商業栽培は行われていません(平成19年1月現在)。
現時点で商業栽培されている遺伝子組み換え作物は第一世代と呼ばれ、除草剤耐性や病害虫抵抗性を付与したものです。これに対して現在開発されている第二世代と呼ばれるものは栄養成分改善(ビタミンA、Feなど)や病気予防(花粉症緩和など)効果をねらったものです。
遺伝子組み換え作物の栽培面積は年々増加しており、2006年は全世界で10,200万haに栽培されました。これは遺伝子組み換えによる除草や病害虫対策に対する労力の低減と増収によるものと考えられます。一方で、遺伝子組み換え作物を口にすることに対しての消費者の不安も根強いです。国内ではカルタヘナ法や自治体による条例、指針(ガイドライン)による栽培規制が行われていますが、生産者が独自にGMOフリーゾーン宣言するなどの運動も行われています。
遺伝子組み換え作物(ダイズ、ナタネ、トウモロコシ、綿実、ジャガイモ)およびその加工食品の一部(30食品群)については遺伝子組み換え使用、不分別の表示が義務づけられています(遺伝子組み換え不使用は任意表示)。ダイズ油や醤油など製品中に組み換えた遺伝子に由来するタンパク質が検出出来ない食品に関しては表示は任意ですが、消費者の中にはこうした食品にも義務表示を求める声があります。
(お問い合わせ)農業技術センター 農産園芸部 TEL:0790-47-2412