アサリを始めとした二枚貝の仲間は、何を餌にしているか知っていますか?
 生きたアサリを買ってくると食べる前に砂出しをしますが、そのときのアサリの様子をよく観察してください。殻の間から2本の管を出して、水を吸ったり出したりしています。水を吸い込む管を入水管、吐き出す管を出水管といいます。アサリは吸い込んだ海水で呼吸をすると同時に、海水に含まれる植物プランクトンや有機物のかけらを取り込み、体の中で濾し集めて食べます。そして、餌にならないものは粘液で固めて体外に放出し、出水管からは水だけを吐き出します。つまり、アサリは海水中のプランクトンや濁り、汚れ等を濾しとって、水をきれいに浄化しているのです。
 大きさ約3cmの親アサリは、1時間に1リットルの海水を濾過することができるといわれています。水産技術センターでは平成18年の4月から赤穂市の千種川河口でアサリの生息量調査を実施しています。河口域の一部約5haの範囲を調査した結果、平均して1平方メートルあたり約140gのアサリが生息していることがわかりました。3cmの親アサリの殻付き重量を約7gとすると、1平方メートルには約20個の親アサリが生息していることになり、1平方メートルの干潟が一日に約480リットル=家庭用風呂約2杯半もの海水を浄化していると計算できます。
 干潟にはアサリ以外にも濾過食性の生物がたくさんいます。海の環境を守る大事な役割を果たしている干潟をいつまでも大切に守っていきたいものです。

 

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