魚に関係することばを紹介します。
「にべもない」=愛想がない、そっけない
ニベという魚のうきぶくろは、膠(にかわ:古来からある接着剤)の原料に利用されます。ニベがないということ=くっつきようがないことから、愛想のない様子や取りつく島もない様子をいいます。
コイチ(ニベのなかま)
「腐っても鯛(タイ)」=優れたものは多少傷んでも価値がある
鯛は慶事や神事によく使われる魚で、立派なものの例えです。そこから、上等なものに少しぐらいケチがついてもまだ威厳のある様子を表しています。実際、タイは腐りにくい魚でもあります。
マダイ
「鯖(サバ)を読む」=自分の都合の良いように数をごまかすことの例え
群れをなす鯖は、巻き網などで群れごと漁獲することが多く、大量にとれた場合の数量はなかなか正確に把握できません。魚市場で鯖を数えるときにわざと早口で数えてごまかしたからという説もあります。
マサバ
「トドのつまり」=詰まるところ、結局のところ、結論として行き着くさま
ボラは成長に従ってオボコ→イナッコ→イナ→ボラというように呼び名が変わり、最も成長したものをトドと呼びます。そこから、行き着いた状態や結果を表した言葉として使われています。
(語源いろいろ)
イクラ:元々はロシア語で魚卵のことをいいます。
レプトケファルス:ウナギやアナゴの幼生のことです。ラテン語で「小さな頭」の意味です。
タラバガニ:北海道を主漁場とするタラバガニは、タラの生息する場所でよくとれることからこの名が付いたと言われています。
マアナゴのレプトケファルス幼生
参考文献:「明鏡 ことわざ成句使い方辞典」大修館書店
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