開発技術名

「但馬牛の美味しさ解明技術」

 

技術開発の経緯

 五味識別テストで選抜したパネルを用いた食味試験(官能評価)により、但馬牛・神戸ビーフは他県産牛肉に比べて食味評価が高いことが分かった。しかし、牛肉の美味しさに対するアミノ酸等の呈味成分の影響は明確ではなく、但馬牛の美味しさの評価に対する要因についても十分に分かっていない。但馬牛に関わる生産者、流通関係者からは但馬牛の美味しさに寄与する香気成分の影響は大きいといわれている。

 

開発技術の内容

ア 匂いかぎGC分析法を用いることにより、但馬牛の美味しさに寄与する香気成分を推定可能である。
イ 但馬牛(24頭)と県外産牛肉(血統に兵庫系の混入が少ない牛:16頭)の赤身肉の香気成分濃度を比較した結果、但馬牛は県外産牛肉に比べて、匂いかぎGC分析法で推定された香気成分のうち、γ-hexalactone、γ-octalactone、γ-nonalactone、γ-decalactone、2-acetyl-1-pyrroline、Vanillinが高い濃度で含まれ(p<0.15)、但馬牛の優位性向上につながる可能性がある。

 

期待する効果

 但馬牛の美味しさに寄与する香気成分を特定することにより、但馬牛の優位性向上が図れる。但馬牛を取り扱う生産者、流通関係者団体が美味しさをアピールできるよう行政機関が支援していく必要がある。

 

連絡先

 畜産技術センター家畜部 0790-47-2430 (作成者:岩本 英治)