開発技術名

「但馬牛枝肉における肉色の客観的評価技術」

 

技術開発の経緯

 牛肉に対する消費者ニーズが多様化するなかで「神戸ビーフ」「但馬牛」の更なるブランド力強化を図るためには、脂肪交雑だけではない新たな改良指標が望まれる。既知の成果により枝肉市場関係者が牛枝肉を選ぶ際、色つやの良さを重視することが分かっていることから、枝肉市場において肉色を客観的に評価できる指標を検討し、迅速に判断する技術を開発する。

 

開発技術の内容

 枝肉の横断面を撮影したデジタル画像について、筋肉色のRGB値※等の画像解析を行うことによって、客観的かつ迅速に肉色を評価する指標を確立した。
ア 枝肉横断面画像の解析により得られる筋肉色のRGB最頻値と平均値は、現行の牛肉色基準(BCS)と中程度の相関(r=-0.46~-0.58)を示す。
イ 現行の7段階評価のBCSに比べ、筋肉色のRGB最頻値と平均値は256段階の評価が可能であり、新たな肉色の評価指標になり得る。
ウ 筋肉色のRGB最頻値と平均値は互いに高い相関(r=0.74~0.99)を示すことから、評価指標として用いる場合、いずれか一つの形質値のみで評価可能である。
エ 枝肉市場において肉色を評価するための撮影は、枝肉切開後1時間以降に行うことで筋肉色RGB最頻値と平均値が安定する。
※ RGB値とは、色の三原色(赤、緑、青)毎に0~255の値を組み合わせて、色を表示するものである。

 

期待する効果

 今後、肉色の客観的評価指標と理化学分析結果との関係を明らかし、肉質の新たな評価指標として種雄牛選抜に活用することで、「神戸ビーフ」「但馬牛」のブランド力強化が期待できる。

 

連絡先

 北部農業技術センター畜産部  079-674-1230  (作成者:小浜 菜美子)