開発技術名

「フーリエ変換型赤外分光光度計(FT-IR)を用いた残留農薬の簡易検査法の開発」

 

技術開発の経緯

 大規模な産地では、残留農薬の自主検査を行っているが、多額のコストがかかる上、分析結果が出るまでに時間がかかるため、迅速、かつ低コストで農薬残留を判別する技術が求められている。先行研究により、レタスにおいて一部の水溶解度が低い農薬について残留農薬の簡易判別が可能となっていたが、他の農薬への適用と感度の向上が不可欠であるため、本技術を開発した。

 

開発技術の内容

ア エタノールを浸した拭き取り素材で拭き取り→比較標準物質を添加し風乾→分析用素材で拭き取り→FT-IRで分析(非破壊及び解析)、1検体当たり約30分、約750円(自作の場合)で実施可能。
イ 拭き取りのバラツキをなくすために拭き取り時にエタノールを利用し、測定のバラツキを減らすために比較標準物質を添加することにより、安定した結果を得ることができる。
ウ 高水溶解度の農薬以外は、本技術によりレタスや果菜類の残留農薬の簡易判別が可能である。
エ 2農薬(アゾキシストロビンとフルベンジアミド)では同時に測定が可能である。

 

期待する効果

 残留農薬の自主検査コストの40%低下を図ると共に、実施件数の30%増加を見込む。

 

連絡先

 農業技術センター病害虫部 0790-47-1112 (作成者:望月 証)