開発技術名
「無人走行フォワーダによる丸太林内運搬作業の自動化」
技術開発の経緯
県内のスギ・ヒノキ人工林資源の充実が進む中、搬出間伐等による木材生産量の増大が求められているが、造林補助金の削減やTPPによる外材との競争激化に対応するためには、さらなる木材生産コストの縮減が必要である。
このため、木材生産にかかる作業班の少人数化と、木材生産コストのさらなる縮減を目的として、無人で自動走行する丸太集材作業用車両(以下、「無人走行フォワーダ」という。)をコンソーシアム(※)の共同研究により開発した。
※コンソーシアム名:自動化集材作業共同研究機関
構成員:国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所(代表)、魚谷鉄工株式会社、株式会社舞鶴計器、丹波市森林組合、兵庫県立農林水産技術総合センター
なお、本技術開発は、「革新的技術開発・緊急展開事業(うち地域戦略プロジェクト)」を活用し、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構生物系特定産業技術研究支援センターからの受託研究により実施した。
開発技術の内容
ア 無人走行フォワーダは、土場における荷下ろし作業を無人かつ自動で行うことのできる、サイドダンプ機構を荷台に備えている。(通常は、グラップルを人が操作して、丸太を土場に荷下ろししている。)
イ 無人走行フォワーダは、誘導ケーブルを敷設した作業道を、丸太を積載して無人で走行し、決められた場所でQRコードを読み取り停止して、自動で丸太を荷下ろし(サイドダンプ)した後に、自動で元の場所へ帰還する制御システムを備えている。
ウ 搬出のコスト分析に関しては、有人走行フォワーダよりも有利になるパラメータ(運搬距離、運搬丸太材積)の組み合わせが、開発した無人走行フォワーダの車両タイプ別に判断できる。
期待する効果
自動集材作業の導入により作業班員の少人数化が図られた場合、同じ労務数で1.33倍の素材生産が可能となり、成熟した県内人工林資源の伐採更新など循環利用の推進が図られる。
今後、安全性の十分な確保やマニュアルの作成により、自動走行フォワーダの現場への普及をめざす。
連絡先
森林林業技術センター森林活用部 0790-62-2118 (作成者:小長井 信宏)