開発技術名

「バイオエタノール生産用の稲わらの効率的な収集技術」

 

技術開発の経緯

 バイオエタノール製造の原料に適した稲わらをより効率的に収集運搬及び貯蔵するシステムについて、県行政及び三菱重工業からの依頼により、ひょうご環境創造協会・三菱農機・JA全農兵庫・地元営農組合等と連携して研究に取り組んだ。

 

開発技術の内容

 稲わらの反転集草を2回に抑えて、天日により水分量10~15%に乾燥する。続いてロールベーラーで密度を高めて梱包する。ロールグラブを用いて、ほ場内から搬出し、農道待機のトラックに積み込んで一時貯蔵地まで輸送する一連の作業方式を能率面から検証し確立した。
 ほ場内作業は、反転集草が1.42時間/ha、梱包が1.64時間/ha、搬出・積み込みは0.69時間/ha、合計作業時間は3.75時間/ha(稲わら収量=6.43t/ha)と極めて効率的に行える。ロールベーラーは大型機の方が中型機に比べ梱包能率は7%高く、搬出・積込みも中型ロールは個数が多いため2.3倍の時間を必要とすることから、大型ロールベーラー体系が中型体系に比べ効率的であることが実証された。
 稲わら収集コスト(最終報告値)は、農機具等の固定費を除外するとき、それぞれ3.21円/kg(大型ロールベーラー体系)、5.49円/kg(同中型)となる。固定費を算入した場合、それぞれ9.04円/kg(同大型)、10.38円/kg(同中型)となる。

 

期待する効果

 稲わら代金の上乗せ等の課題を解決することによって将来の実用化が期待される。実用化にあたっては、作業機のコース取り、農機の取り扱い等に技能を要することから、熟練が必要である。

 

連絡先

 農業技術センター農産園芸部 0790-47-2412