開発技術名

「スクミリンゴガイの越冬可能地域の推定(ハザードマップ)」

 

技術開発の経緯

 スクミリンゴガイが農業生態系に侵入してから30年以上が経過し、各地で分布が拡大している。県内の水田では1985年に発生し、1988年には4市町で発生が記録された。近年では2016年に11市町から水稲共済への被害申告があり、徐々に分布が拡大していることが考えられる。そこで、寒さに弱い本種の性質を利用した越冬可能地域のハザードマップを作成し、さらなる分布拡大への注意喚起に資する。

 

開発技術の内容

ア メッシュ農業気象データから得た気温データを用いて、1kmメッシュ毎の低温積算温度(※)を算出し、フリーソフトのQGISを用いて、低温積算温度(※) 700日度以下をスクミリンゴガイの越冬可能地域として視覚化する。
イ スクミリンゴガイの分布確認地点をハザードマップに重ね、未発生かつ越冬可能地域を明らかにする。

 

期待する効果

ア スクミリンゴガイの越冬可能地域を推定することで、リスクのある地域に対して対応策を周知することができ、拡大防止の啓発並びに発生した場合の迅速な防除活動が望める。
イ 分布拡大を防ぐことで、持続的かつ環境負荷の少ない環境創造型農業の推進に寄与できる。

 

※ 低温積算温度 = Σ (10 – t)、t = 日平均気温(10℃以下のみ)、積算期間(10月1日から3月31日まで)

 

連絡先

 農業技術センター病害虫部  0790-47-1222 (作成者:吉田 和弘)