開発技術名

「葉物野菜における遮光資材の利用が残留農薬に及ぼす影響」

 

技術開発の経緯

 本県では環境創造型農業を推進しているところであり、消費者に更なる安心を提供するために、農作物、特に葉物野菜の残留農薬をより低減する技術が求めれている。葉物野菜は施設栽培され、夏季には高温対策のため遮光資材が用いられている。一般的に農薬は日光の紫外線により分解すると考えられているが、残留農薬の減少に対してどの程度影響するかは明らかではない。そこで、遮光が農薬残留量に及ぼす影響に関する基礎データを得る目的で、遮光率89%と45%の資材を用いて試験を実施した。

 

開発技術の内容

ア コマツナを葉物野菜のモデルとして施設で栽培し、5種類の農薬(殺菌剤1,殺虫剤4)を散布した。遮光率の高い資材(遮光率89%)利用7日後の農薬残留量は、遮光をしない場合と比べて、平均で83% (40%~126%)多くなる。なお、利用3日後の農薬残留量は、約9%(0~15%)多くなる。
イ 遮光率の低い資材(遮光率約45%)利用7日後の農薬残留量は、遮光をしない場合と比べて、平均で19%(0%~30%)多くなる。
ウ 以上から、遮光により残留農薬が増加するが、遮光率の高い資材の短期利用(3日以内)や遮光率の低い資材の利用であれば残留農薬への影響が少ないことを明らかにした。

 

期待する効果

 本技術を基礎として実用技術への応用を検討する。

 

連絡先

 農業技術センター病害虫部  0790-47-1222 (作成者:望月 証)