開発技術名

「但馬牛肥育牛の肥育過程における脂肪酸組成の経時変化」

 

技術開発の経緯

 但馬牛肥育牛の脂肪酸組成に影響を及ぼす要因や肥育過程における経時的変化については十分に調べられていない。但馬牛の脂肪酸組成に関する改良や飼育技術の開発には、さらなる基礎データの蓄積が必要である。そこで、生体の肥育牛の第5~6腰椎部より定期的に皮下脂肪及び腰最長筋内脂肪を採取し、モノ不飽和脂肪酸(MUFA)割合を測定した。供試牛は去勢牛と雌牛をそれぞれ8頭及び12頭、さらに性別毎に異なる種雄牛A及びBの産子を同じ頭数配置した。採材期間は去勢牛全頭および雌牛6頭に対して13か月齢から29か月齢とし、残る雌牛6頭は35か月齢までとした。

 

開発技術の内容

 生体の脂肪酸組成のうち美味しさに関連するMUFA割合は、枝肉脂肪のMUFA割合同様に、月齢の進行に伴い上昇し、性別では雌牛は去勢牛よりも高く、部位別では、皮下脂肪は筋内脂肪よりも高いが、月齢に伴う上昇は緩やかである。さらに月齢の進行に伴う上昇は性、部位、種雄牛の別を問わず、肥育の初期段階から始まっている。また、35か月齢まで採材した雌牛から得られた結果として、MUFA割合は低下することもあり、これについては、季節の影響が考えられる。更に、雌牛での筋肉内脂肪のMUFA割合が29か月齢以降も増加している。

 

期待する効果

 美味しさに関連するモノ不飽和脂肪酸割合を高める飼育技術開発の基礎データとして活用する。

 

連絡先

 畜産技術センター家畜部  0790-47-2430 (作成者:正木 達規)