開発技術名
ハスモンヨトウ発生調査における赤外線センサーカメラの利用
技術開発の経緯
野菜類の重要害虫であるハスモンヨトウの発生予察調査では、合成性フェロモンとトラップを用いて捕獲、計数する手段が一般的である。しかし、本種は発生最盛期に捕獲数が1夜で100頭を超えることもあり、調査にかかる作業が負担になっている。そこで、調査作業のスマート化をはかるため、自動撮影が可能な赤外線センサーカメラを用い、撮影回数がトラップでの捕獲数に代わるデータとして有効であることを明らかにした。
開発技術の内容
ア 赤外線センサーカメラの正前40~50cmの位置に合成性フェロモン設置する。夜間、ハスモンヨトウが誘引・飛来した場合、カメラが作動し、画像ファイルとして記録される。
イ 撮影画像ファイル数は、近隣のフェロモントラップでの捕獲数と相関の高い推移を示すことから(R2=0.816)、フェロモントラップと同等の手段として扱うことができる。
ウ 赤外線センサーカメラは比較的安価(数万円)で購入でき、かつ独立した電源であるため、現地ほ場で容易に設置可能である。
期待する効果
トラップ調査では捕獲虫を計数する作業が負担となっていたが、本技術ではファイル数の確認で済むことから大幅な省力化につながる。また、使用するカメラをIoT機能(データの自動送信)が備わったものにすることで、現地に赴く負担が削減できる。