開発技術名
「(R3)イチジクオーバーラップ整枝における栽培管理指標」
技術開発の経緯
凍害軽減や樹勢抑制による着果安定や品質向上効果が期待されているオーバーラップ整枝を現地導入するあたり、ほ場条件に応じた適切な主幹長や植栽間隔の設定基準が求められている。一方で、オーバーラップ整枝は主幹長や主枝長を調節することで、ほ場条件や樹齢の違いによって生じる樹勢の強弱をある程度調整することが可能である。そこで、オーバーラップ整枝における適正な結果枝確保のための樹勢管理指標の作成に取り組んだ。
開発技術の内容
ア 主幹長を1~2mとすることで、着果開始節位が一文字整枝に比べ2~3節低くなり、9
月上旬の収量が20%多くなる。
イ 樹間、主枝長を1.5~2mとすることで、結果枝の生育が均一化する。
ウ 主幹長を1~2mとした場合、安定した着果を確保するためには、基部径25mm程度の
結果枝が必要である。これより基部径が太くなる場合は、主幹長を2m以上とするか、
間伐を行って樹間を広げ、主枝長を長くして樹勢を抑制する。反対に、基部径が細くな
る場合は、主幹部から結果枝を発生させて、主幹長を短くするとともに主枝長を短く
し、樹勢を強くする。
エ 主幹長を1~2mとした場合、平均100g以上の大果生産するための結果枝の条件は、
基部径25mm程度である。
期待する効果
現地へオーバーラップを導入する際に、適正な結果枝を確保する際の樹勢管理の指標となる。
連絡先
農業技術センター 農産園芸部 0790ー47-2424 (作成者:宗田 健二)