開発技術名
「地域特産みその熟成特性と熟度の判定法」
技術開発の経緯
地域特産の米や大豆を用いて製造、販売される地域特産みその品質向上や品質の安定化を図るには、科学的な指標による熟成特性や熟度の判定が有効である。主要なみそ加工団体が製造する地域特産みそ14製品について、熟成速度や熟成経過などの熟成特性を明らかにするとともに、熟成適期に製品化(出荷)するための熟度の判定技術について検討した。
開発技術の内容
ア (地域特産みその熟成特性) 地域特産みその熟成に関わる主要な要因は、米麹量(米と大豆の配合割合)と塩分である。米麹量の多いもの{米が大豆の2倍以上(原料重比)}、塩分の低いもの(塩分10%以下)は熟成が速く、熟成適期は熟成庫の積算温度で5100℃である。
イ (地域特産みその熟度の判定技術) みその熟成が進むと、みそ風味関連成分の生成に伴うpHの低下や色調の明度(ハンターL値、仕込み時約50)の低下が起こる。みその熟度の判定指標としては、みその明度が40を切る時期が熟成適期である。
期待する効果
ア 地域特産みその熟度の判定技術として、みその色調の明度(ハンターL値)を活用することで、品質の高いみそを安定的に製品化(出荷)できる。この明度による判定技術の実用的な活用方法の1つとして、明度40のみそ用カラーチャートを作成し、製造現場で目視判定する方法として活用できる。
イ 地域特産みその多くは県認証食品に認定されており、これらみその品質向上、安定化を進めることで、県認証食品の推進を図る技術支援が可能となる。
連絡先
北部農業技術センター農産・加工流通部 079-674-1230