開発技術名
「エゴマ油および食品(ドレッシング)利用時の酸化劣化の改善技術」
技術開発の経緯
新温泉町では、エゴマについて、高齢化の進む地域の情勢に合致する品目として捉え、特産化を図っている。収穫した種実はエゴマ油に加工して販売しているが、エゴマ油は加熱に弱く酸化しやすい特性を有しており、有効な防止方法は明らかでない。そこで、エゴマ(種子・油)の収穫後の保存・加工条件による酸化劣化の改善技術、並びに油の有効活用も含めた食品の利用用途の開発に取り組んだ。
開発技術の内容
ア 収穫後のエゴマ種子は、搾油時まで低温(5℃以下)で保存することで、酸化防止に効果がある。
イ エゴマ油の酸化防止に効果のある保存方法として、遮光条件(または遮光性のある包装資材)で低温保存(5℃)を行う。この保存方法は、酸化しやすい光条
件・常温保存(保存後20日間)よりも有効であり、100日間酸化が抑制される。常温保存では、遮光条件に抗酸化剤(トコフェロール製剤0.1%)添加を併用す
ることで、保存後100日間酸化抑制効果がある。
ウ エゴマ油の食品(ドレッシング)利用では、油に対する酢などの副原料の比率が高いほど酸化程度が大きくなる(油2:酢1の比率よりも油1:酢1のほうが酸
化程度は大きい)。包装後の酸化防止に効果のある保存方法は、油単体の保存と同様に、遮光条件で低温保存を行うか、常温保存では、遮光条件に抗酸化剤添加
を併用する。遮光条件・低温保存で保存後60日間、
遮光条件・抗酸化剤併用で保存後100日間酸化が抑制される。
期待する効果
今後、地域特産としての付加価値を高めるため、油の有効利用も含めた新用途開発において、ドレッシングや調味料などの食品利用において、技術を活用することができる。
連絡先
北部農業技術センター 農業・加工流通部 079-674-1230 (作成者:廣田智子)