開発技術名

「早生タマネギの冷蔵による夏期出荷技術」

 

技術開発の経緯

 淡路地域の栽培面積の約2割を占める早生タマネギは、水分が多く軟らかく辛みが少ないことから、サラダ用として好まれるが、日持ちが悪く、豊凶による全国的な需給バランスから価格が不安定になりやすい。収穫後、短期冷蔵できれば夏期の需要に応えることができ、価格の安定につながると考えられる。そこで、早生タマネギの冷蔵期間がタマネギの商品性に及ぼす影響について検討した。

 

開発技術の内容

 早生タマネギ「七宝早生7号」は、5月中旬に掘り取り後、2~3日天日干しをしたあと根と葉を切り、コンテナに入れて冷蔵する。冷蔵条件は温度2℃、湿度70~90%が適し、50日間の冷蔵が可能である。
ア 冷蔵期間(30日、50日、70日)によらず可食部の水分率は92.0~92.5%と、ほぼ一定であり、冷蔵による重量の減少はない。
イ 50日までの冷蔵では、出庫時及び15日間20℃一定で保管した後の肩落ち(乾燥を主因とする首部からのくぼみ)、病害の発生は少なく、健全球率は90%以上高い状態が保たれる。また、内部品質では辛みの指標となるピルビン酸含量は冷蔵直後に比べやや増加するものの、糖度、有機酸含有率、糖組成は差がなく、品質良好な状態で保存できる。一方、70日まで冷蔵した場合、出庫時の健全球率は96%と高いものの、その後肩落ちや肌腐りが発生して店もちが悪く、販売まで考えると不適である。

 

期待する効果

 約50日間の冷蔵により早生タマネギの夏期出荷が可能となり、産地のブランド強化につながる。

 

連絡先

 淡路農業技術センター農業部  0799-42-4880  (作成者:竹川 昌宏)