開発技術名
「県産エダマメの流通形態に応じた高品質流通技術」
技術開発の経緯
兵庫県産エダマメには「丹波黒」、県オリジナル品種である「さとっこ姫」「黒っこ姫」「茶っころ姫」がある。県内のエダマメの栽培面積は拡大傾向にあり、ブランド力強化や他県産地との差別化、首都圏または海外への販路拡大を視野に入れた取組みへの支援が必要とされている。
そこで、兵庫県産エダマメを用いて短期(鮮度保持)及び長期(冷凍加工)の流通形態に応じた高品質流通技術の開発に取り組んだ。
開発技術の内容
ア 県産エダマメの短期流通における品質保持期間の延長には低温保存(5℃冷蔵)が効果的であり、保存10日後まで品質が保持される。常温流通(25℃)においては、予冷(収穫後5℃下で8時間保存)と鮮度保持フィルム包装(袋内のガス濃度を低酸素、高二酸化炭素に保持)の組み合わせにより、品質保持期間が5日間まで延長できる。
イ 長期流通では冷凍加工技術が活用でき、冷凍前処理としてのブランチング(沸騰水中で加熱処理)は莢や子実の変色防止に効果的である。自然解凍時の適切な処理時間は色調重視で3分から5分間、食味や食感重視では5分から7分間である。ブランチング処理時の溶液を3%食塩水+3%ショ糖溶液に置き換えることで、同じ処理時間で子実がより軟らかくなる効果がある。
期待する効果
黒エダマメ産地の流通形態に応じて鮮度保持技術や冷凍加工技術が選択できる。さらに鮮度保持と冷凍加工技術を組み合わせることで、品質を保持した冷凍エダマメを製造でき、周年的に利用・販売することが可能となる。
連絡先
北部農業技術センター農業・加工流通部 079-674-1230 (作成者:廣田 智子)