開発技術名

「完熟イチジクの高品質出荷技術」

 

技術開発の経緯

 兵庫県産イチジクは完熟出荷のため、市場での評価も高いが、果皮が柔らかく、鮮度保持期間が極めて短い等、流通時に問題が多い。そこで、高品質果実の収穫技術、輸送時における果実の損傷の軽減及び鮮度保持技術を組み合わせた高品質果実の出荷技術開発に取り組んだ。

 

開発技術の内容

ア 収穫後の果実は着色が進まず、糖も増加しないため、収穫時の品質が重要である。透湿性白色マルチ栽培により慣行栽培より糖度が0.5~1%程度高くなり、イチジクカラーチャート6.5以上の果実を収穫することで、嗜好性の高い糖度15%以上の果実を安定して出荷できる。
イ 果梗部差込口の形状等を変えた専用輸送容器「ゆりかーご」を用いることで、果実の容器内の移動や損傷等を大幅に軽減できる(JISZ0232 L2振動試験においては90%以上削減)。
ウ 果実の鮮度保持期間は室温で1日程度であるが、低温ほど期間が長くなり、5℃で3日間、0℃で7-10日間程度、販売が可能な鮮度を維持できる。

 

期待する効果

 収穫から鮮度保持までの技術を必要に応じて組み合わせることで、高品質果実を首都圏等へ広域出荷することが可能となる。

 

連絡先

 北部農業技術センター農業・加工流通部  079-674-1230  (作成者:小河 拓也)