開発技術名
「「但馬1号」(なしおとめ)における果実熟度別の日持ち性」
技術開発の経緯
「但馬1号」は、兵庫県育成のナシ品種である。新品種のため収穫後に販売できる期間が不明であり、また、収穫時において果実に熟度のばらつきがあることから、熟度別に日持ち性の評価に取り組んだ。
開発技術の内容
ア 常温(平均温度25.2℃)での貯蔵中は果実の着色が、「但馬1号」カラーチャート(TCC)値で0.1/日程度進み、果
実硬度は低下する。適熟収穫(TCC値3.3±0.3)で7日間程度、完熟収穫(TCC4.0±0.4)で3日間程度販売が可能で
ある。
イ 低温(平均温度2.1℃)での貯蔵中は果実の着色はほとんど進まず(TCC値で0.2/10日程度)、果実硬度もほぼ維持
される。適熟収穫で14日間程度、完熟収穫で9日間程度販売が可能である。適熟果および完熟果ともに冷蔵後、常温で
3日間程度は販売が可能である。
ウ 過熟収穫(TCC値4.5以上)は常温で3日後には品質が大きく低下し、水浸状果実も30%以上発生するので市場流通
は難しい。
期待する効果
出荷先への情報として提供することで、果実を販売する際の目安となる。カラーチャートを用いて収穫し、熟度により出荷先を変えるなど、広域出荷に対応できる。
連絡先
北部農業技術センター 農業・加工流通部 079-674-1230 (作成者:小河 拓也)