開発技術名

「エッジ効果を利用した新型色彩捕虫シート」

 

技術開発の経緯

 コナジラミ類やアザミウマ類といった害虫に対する物理的防除資材である色彩捕虫シートには、多くの製品があり、広く利用されているが、より高い捕獲性能が求められている。そこで、浜松医科大学及び大協技研工業(株)と共同で、捕獲性能の高い色彩捕虫シートの開発に取り組んだ。役割分担は、浜松医科大学が昆虫の誘引性を高める視覚コントラスト(エッジ効果)の理論体系の構築、大協技研工業(株)が試作品の製作を、当センターがほ場における効果試験を担当した。その成果として、単色の捕虫粘着シートに特定の模様を配置することでエッジ効果による誘引性能向上を図ることに成功した。本開発技術においては、エッジ効果の作出条件に新規性があり、2018年2月に特許申請を行っている。

 

開発技術の内容

 単色の捕虫粘着シートにひし形の模様を配置することで、エッジ効果により誘引性能が向上する。模様の個数(占有面積率)と色彩の最適化を図り、捕獲性能は従来(単色)と比較して約1.6倍向上している。この仕様をもとに、大協技研工業(株)が製品化し、「ラスボスRタイプ」という商品名で2019年10月から販売されている。

 

期待する効果

 従来製より害虫に対する密度抑制効果が期待できる。天敵、防虫ネット等他の非化学的防除手段と併用が容易な資材であるので、減農薬資材としての利用場面は多い。

 

連絡先

 農業技術センター病害虫部 0790-47-1222 (作成者:八瀬 順也)