開発技術名

「栗温湯処理後の専用乾燥機の開発」

 

技術開発の経緯

 クリシギゾウムシは虫食い栗の原因となる最重要害虫であるが、2014年以降、本種の主要な防除薬剤である臭化メチルがオゾン層破壊物質として使用できなくなり、その後継剤として登録されたヨウ化メチル剤に関しては今後の供給体制が不安定な状況にある。
 そこで、兵庫県が開発した温湯処理技術が再認識されているが、温湯処理後の乾燥工程に手間と時間がかかるなどの問題点がある。そのため乾燥工程を改善する技術の開発が求められていた。

 

開発技術の内容

ア メーカーと共に開発した栗乾燥機は、長さ2m、幅1m、高さ1.5mの平面型で、上面にメッシュ状の鋼板が張ってあり、その上に栗を並べ、下面から送風機で通風して乾燥するものである。
イ 金属板製の組立式であるため、不用時には分解してコンパクトに保管できる。
ウ 温湯処理機での1回の処理量と同量(100kg)の栗を一度に乾燥することができる。
エ 乾燥機の価格は約30万円前後と予定されている。
オ 従来の自然及び送風乾燥等の方法では100kgの栗の乾燥に2時間~1昼夜を要していたが、専用乾燥機の導入により乾燥時間は約10分となり、大幅に作業時間の短縮が図れる。

 

期待する効果

 乾燥機は汎用性があるため、他作物へ適用できる可能性がある。

 

連絡先

 農業技術センター病害虫部  0790-47-1222  (作成者:二井 清友)