開発技術名

「ネギアザミウマに対する効果的な薬剤防除体系」

 

技術開発の経緯

 近年、全国的にネギアザミウマの被害が増加しており、兵庫県でも淡路地域の春キャベツなどで本種の加害による品質低下が問題となり、薬剤感受性の低下も懸念されている。本種は最近になって海外から新系統が侵入しており、兵庫県内での早急な分布調査と防除対策が必要とされている。

 

開発技術の内容

ア 平成25年までの調査により、新温泉町、朝来市、加古川市、神戸市、伊丹市、西宮市、尼崎市、南あわじ市から産雄性単為生殖系統の新系統の発生が確認されている。阪神地域のネギアザミウマに関しては合成ピレスロイド剤に対する防除効果の低下が認められるが、淡路、朝来地域では効果の低下は認められない。
イ 淡路地域でのタマネギほ場における体系防除試験としての4月下旬、5月上旬、5月中旬の薬剤散布では、5月上旬にモスピラン水溶剤とディアナSCとを同時期散布した区が最も防除効果が高くなる。キャベツほ場での体系防除試験として5月中旬、5月下旬の薬剤散布では、5月中旬にモスピラン水溶剤とディアナSCとを同時期散布した区が最も防除効果が高くなる。

 

期待する効果

 同時期散布ができない場合でも、モスピラン水溶剤とディアナSC剤のそれぞれの防除効果は高いため、タマネギ、キャベツ以外に上記の薬剤が適用拡大されると十分な効果が期待でき、ネギアザミウマの被害地域において有効な防除技術となる。

 

連絡先

 農業技術センター病害虫部  0790-47-1222 (作成者:二井清友)