開発技術名

「プリムラ類の間欠冷蔵を利用した開花促進による年末期出荷技術」

 

技術開発の経緯

 年末期は鉢物の需要が多いが、本県の現状の生産では対応できる品目が少ない。従来、春季にしか出荷できなかったプリムラ類を、新作型の開発により年末期に出荷することで、需要に対応できるようになる。プリムラ類は低温処理により開花促進することが知られており、低温暗黒下と自然条件下を数日ごとに交互に管理する間欠冷蔵処理により、年末期に出荷できる技術を開発する。

 

開発技術の内容

ア 早生品種「ポニー・イエローシェード」等では、冷蔵温度10℃、「3日冷蔵-3日非冷蔵」×8回の間欠冷蔵処理により、年末までの開花株率を100%に高めることができ、花および葉の大きさが従来と同等で品質の高い商品を出荷できる。
イ 晩生品種「セブンティー・ブライトローズ」、「キャンディ・マジック」等では、冷蔵温度5℃、「3日冷蔵-3日非冷蔵」×12回の間欠冷蔵処理により、年末までの開花株率を70%以上に高めることができ、花および葉の大きさが従来と同等で品質の高い商品を出荷できる。
ウ 5月中旬に288穴セルトレイに播種し、6月下旬に50穴セルトレイに仮植し、7月下旬から間欠冷蔵処理する。非冷蔵時は遮光をしたハウス等で管理する。

 

期待する効果

 これまで出荷時期が春季であったプリムラ類の年末期の出荷が可能となり、新たな商品として生産拡大が見込める。連続した暗黒冷蔵処理は、冷蔵中に苗が軟弱徒長し、花や葉が小さくなり品質が低下することから実用化されていないが、間欠冷蔵により高品質の苗を生産できる。

 

連絡先

 農業技術センター農産園芸部 0790-47-2424 (作成者:水谷 祐一郎)